不動産・保険等の手続きREAL ESTATE & INSURANCE

遺産分割協議が確定すると、次に相続財産(不動産や預貯金、動産等)の名義変更が必要になりますが、こちらは期限がないので、うっかり忘れていたことがないように注意して下さい。特に忘れてはならないのが不動産の名義変更です。 現金を引き出すための銀行口座や換金の可能性が高い有価証券の名義変更はほとんどの方が行なわれますが、不動産を分割せずに親から引き継ぐ場合、名義変更しなくてもそのまま住み続ける、または保有し続けることは可能です。しかし、相続人に万が一のことがあった場合、名義変更していないために法定相続人が増え、財産の売却や分割を余儀なくされるケースも多くあります。 無駄なトラブルを避けるためにも不動産の名義変更は必ず行ってください。

不動産の名義変更

法務局で登記簿を閲覧すれば、その不動産の所有者が誰なのか、また担保が付いているか等をどなたでも確認することが可能です。 相続が発生した場合、亡くなった被相続人名義の不動産登記簿を相続人名義に変える手続きが必要になります。 不動産名義を変更しないと思わぬトラブルに陥ることがありますので、できるだけ速やかに変更しましょう。

限定承認の流れ

STEP.1

相続人調査と不動産調査

まずは、法定相続人と相続の対象となる不動産を確定させるために以下の書類を収集します。

  • ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • ・法定相続人の戸籍謄本
  • ・法定相続人の住民票
  • ・相続する不動産の固定資産税評価証明書
  • ・名寄帳

STEP.2

遺産分割協議の終了

法定相続人間で、相続の対象となる財産についての遺産分割協議を行います。

STEP.3

登記に必要な書類の収集

登記に必要な書類は、どのように遺産分割の協議が行われたかによって異なってきます。

法定相続人が一人の場合または法定相続分で相続をする場合
  • ・法定相続人の戸籍謄本
  • ・法定相続人の住民票
  • ・相続する不動産の固定資産税評価証明書
遺産分割協議で決めた割合で相続をする場合
  • ・法定相続人の戸籍謄本
  • ・法定相続人の住民票
  • ・相続する不動産の固定資産税評価証明書
  • ・法定相続人の印鑑証明書
  • ・遺産分割協議書

STEP.4

登記申請書の作成

登記の申請書を作成する場合、詳細は状況により複雑に変化します。
そのため、司法書士に依頼する方が正確かつ速やかに実行できます

STEP.5

法務局への登記の申請

登記の申請書にその他の必要書類をまとめ、相続する不動産を管轄とする法務局に登記申請を行います。 提出した書類に不備がなければ1週間程度で登記が完了し、不動産の名義が変更されます。

STEP.6

登記の費用について

登記申請する際には税金(登録免許税)の納付が必要です。 その際には固定資産税評価証明に記載されている不動産の価格に1,000分の4を乗じた額の税金(登録免許税)が必要になります。

生命保険金の受け取り

生命保険金に関しては、受取人の指定がどのようになっているのかで分けて考える必要があります。 以下をご参考ください。

CASE.1

特定の者が保険金の受取人として指定されている

保険金を取得する「権利」が既にあるので、その保険金は相続財産には含まれません。

CASE.2

保険金の受取人が「相続人」と指定されている

のような場合でも被相続人が亡くなった時点の相続人を指定しているのであって、その相続人は相続としてではなく、「保険契約」によって保険金を受け取ることになります。 従って、これも相続財産には含まれません。 ただし、受取人が相続人の場合、原則として「相続人が保険金を受け取る割合を相続分の割合による」とする指定も含まれるため、各相続人は相続分の割合により保険金を取得することになります。

CASE.3

保険金の受取人が亡くなられた方自身とされている

このケースでは保険金は相続財産となります。 以上のように被相続人が生命保険に加入していた場合、「死亡保険金の受取人に指定されている者」が保険会社に対して保険金を請求することになります。 生命保険の受取人が指定されている死亡保険金は相続財産には含まれないため、原則的に全額が受取人の財産になります。

生命保険金を請求する際に必要な書類

  • ・保険証券・死亡診断書(死体検案書)
  • ・被相続人の住民票及び戸籍謄本
  • ・保険金受取人の印鑑証明書
  • ・災害事故証明書、交通事故証明書(死亡原因が災害・事故による場合)

※必要書類は各保険会社によって異なる場合があるので、事前に確認しておく必要があります。

預貯金の名義変更

被相続人名義の預貯金は、遺産分割協議が完了する前に一部の相続人が預金を自由に引き出すことが禁止されています。 そのため、被相続人の死亡を銀行などの金融機関が確認すると預金口座が凍結され、預金を引き出せなくなります。 凍結された預貯金の払い戻しを受けるには、遺産分割が行われる前か、行われた後かによって手続きが異なります。

遺産分割協議書の作成

被相続人名義の預貯金は、被相続人の死亡を金融機関が確認した時点で預金口座が凍結され、預金の取り扱いができなくなりま す。 これは、一部の相続人が勝手に預金を引き出すのを防止する目的があります。 凍結された預貯金の払い戻しをするには、遺産分割協議書を作成する必要があります。 ほとんどのケースにおいて相続は預貯金だけでなく、不動産も伴うことがあるので、しっかり遺産分割協議書を作成するようにしてください。 また、亡くなった人と相続人全ての戸籍を集めるため大変複雑な手続が必要になります。 戸籍を収集し、相続人を確定するという作業が遺産分割協議書を作成する上では必須です。 遺産分割協議書の詳細は、遺産分割協議書のページをご覧下さい。

遺産分割をどのように済ませたかにより手続きが異なるので、事前にご理解ください。

遺産分割協議に基づく場合

以下の書類を金融機関に提出することになります。

  • ・金融機関所定の払い戻し請求書
  • ・相続人全員の印鑑証明書
  • ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • ・各相続人の現在の戸籍謄本
  • ・被相続人の預金通帳と届出印
  • ・遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)

その他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もあるので、直接金融機関に確認する必要があります。
ポイント:戸籍謄本を取得する
銀行などの相続手続では、「被相続人の生まれた時から亡くなるまでの連続した全ての戸籍」と、「相続人の現在の戸籍」を準備するように指示されます。

例えば、「自分が亡くなった父の唯一の相続人」だと窓口担当者に説明したところで相続の名義変更はできません。また相続人がたとえ自分一人であると予測されたとしても、戸籍により相続人を確定する必要があります。中には戸籍を取り寄せたら実は別の女性との子どもがいた等という、全く予期していなかった相続人が発生する場合も考えられるからです。 そのためたとえ相続人が自分一人であったとしても、『戸籍』上で“相続人が自分一人である”という事実を証明して手続きを進めていく必要があります。

さらに、銀行預金を引き出すには、たとえ少額であっても原則として戸籍が必要です。また廃車寸前の金銭的な価値が無い自動車であったとしても、手続き上は戸籍が必要となります。相続の有無に・遺産の大小に関わらず、相続には戸籍が必要になると考えた方が間違いありません。 ここで注意して頂きたいのが、戸籍は役所に行けばすぐに揃うというものではないということです。 一般的に戸籍は簡単に取れるという印象がありますが、それは本籍地や筆頭者を知った上で戸籍の請求をするからです。 相続手続の場合は、収集した戸籍から次に取るべき戸籍の本籍地や筆頭者を読み取るという、とても負担のかかる作業が必要になります。 戸籍収集には、別々の役所へ請求する必要があるので、基本的にすべて郵便による請求になります。 何か問題があった場合、電話でやり取りや郵送による手続が必要になるなど、非常に煩わしい手続になりがちです。 戸籍も一種類だけでなく、「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」等といったものも必要になるので、詳しい知識が要求されます。

ほかにも、実際には各相続の状況によって様々なパターンがあります。 以下に稀なケースですが、調停・審判に基づく場合と遺言書に基づく場合のケースをご参照下さい。

調停・審判に基づく場合

以下の書類を金融機関に提出することになります。

  • ・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本(いずれも家庭裁判所で発行を受けること  ができます)
  • ・預金を相続した人の戸籍謄本と印鑑証明書
  • ・被相続人の預金通帳と届出印

※その他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせて確認する必要があります。

遺言書に基づく場合

以下の書類を金融機関に提出することになります。

  • ・遺言書
  • ・被相続人の除籍謄本(最後の本籍の市区町村役場で取得できます。)
  • ・遺言によって財産をもらう人の印鑑証明書
  • ・被相続人の預金通帳と届出印

その他、金融機関によっては必要な書類が異なる場合もあるので、直接金融機関に問い合わせて確認するのが大切です。 以上が主な手続方法ですが、これらの名義変更は非常に煩雑な手続なので、間違いのないよう専門家に相談することをお勧めいたします。

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